しめ縄づくり2020
昨年に続き、しめ縄づくり。
今年は小樽市在住の二杉寿志さんに来ていただきました。
昨年は輪の部分だけのリース型を作りましたが、今回は長い足がある形。
この足には「邪気を払う」という大切な意味があるのだそうです。
湿らせたスゲの束を3等分し、そのうち2束を締め上げながら編んでいきます。
芯となるアンコを途中で入れるのを忘れずに。このアンコもスゲでできたものです。
残りの1束も同様に編み込み、輪の部分が完成!
休憩時間にはスゲと同じく湿地に生育するマコモのお茶を飲み、
ブルーシートの上に落ちているスゲを数本集め、縄なりの練習も(^^)
後半は足を作ります。
もう一束のスゲを3等分し、輪の中央部分に通します。
足の長さを決め、スゲの上の部分を三つ編みして結びます。
結ぶときに使った紐もスゲ製です。
いよいよ最後の飾りつけ。
飾りの意味を1つ1つ説明していただきながら、スゲに差し込んだり小さな釘で固定し、
無事に立派なしめ縄が完成しました!
しめ縄の表は飾りで隠れてしまうので、綺麗な面を裏にすると良いよ、と二杉さん。
お正月に飾られる伝統的なしめ縄は、稲わら・スゲ・マコモなど、地域によってその材料が異なります。
寒冷地である北海道では、スゲ製が多かったのではないかと思います。
ひと昔前には、スゲが生育するような湿地はあちこちにあり、スゲ笠や蓑(みの)を作るための生活必需品だったようです。
しめ縄を自作する人もたくさんいたそうです。
しかし、現在ではそのような湿地が消え、スゲがなかなか手に入らない貴重なものとなり、しめ縄などを作れる人も減ってしまっています。
ホームセンターで販売されているしめ縄を見てみてください。
ナイロンや中国産のスゲでできたものばかり…
神社に飾られているものでさえ、そのようなものが増えているのだとか。
小正月に行われるどんど焼きでは、ナイロン製のものはもちろん焼けません。
中国産のスゲも、緑色の塗料を塗られていることがあるそうで、焼くと黒い煙が出てしまうため焼かれないのだとか。
飾りも、最近はプラスチック製が多いですね。
今回用意してくださった飾りは、海老以外はすべて紙製!
以前は海老の張り子を作っていた方もいらっしゃったようなのですが、需要の減少で製造をやめてしまったそうです。
最近は北海道でスゲが採れる場所も減少してしまい、今回用意してくださったスゲは東北地方で採れたものだそうです。
昨年訪問した函館市の道南四季の杜公演では、棚田の一部がスゲ田になっており、そこで育てたスゲを採取してしめ縄を作られていました。
一昨年訪問した千歳市の泉郷神社に立派なしめ縄を奉納されている方々からは、カサスゲが採れた地域の湿地がなくなってしまったと伺いました。現在はこれまでに採って貯蔵しているものを使い、アンコには違う地域で採らせてもらったオオカサスゲを利用されていました。
スゲが生育する湿地を残したり、スゲを育てる場を作ったりなど、北海道産のスゲでしめ縄を作る文化を残していこうと思案中です!
スゲやしめ縄についてなにか情報をお持ちの方、ぜひ教えてください(^^)
今回の湿地文化体験を通して、スゲや湿地に少しでも興味を持ってくれた方がいたらとても嬉しいです。
講師の二杉さんと息子さん、参加してくださった方々、ありがとうございました!
こんな立派なしめ縄を焼いてしまうのは勿体無い気もしますが、飾ったものを空にお返しするためどんど焼きに持っていきます⭐︎
昨年のしめ縄@函館
一昨年のしめ縄@千歳