しめ縄づくり2021
毎年恒例のしめ縄づくり。
輪の部分だけのリース型ではなく、「邪気を払う」という大切な意味のある長い足がある形です。
まず輪の部分「頭」を作ります。
湿らせたスゲの束を3等分し、そのうち2束を締め上げながら編んでいきます。
芯となるスゲ製アンコを途中で入れ、ボリュームを出します。
残りの1束も同様に編み込み完成!
次に足を付けます。
もう一束のスゲを3等分し、頭の中央部分に通します。
足の長さを決め、スゲの上の部分を三つ編みして結びます。
結ぶときに使った紐もスゲ製です。
いよいよ最後の飾りつけ。
飾りは扇、紙垂(しで)、松竹梅、ウラジロ、海老、小判、鯛。
1つ1つの意味を確認しながら、スゲに差し込んだり小さな釘で固定し、
無事に立派なしめ縄が完成しました!
お正月に飾られる伝統的なしめ縄は、稲わら・スゲ・マコモなど、地域によってその材料が異なります。
寒冷地である北海道では、スゲ製が多かったのではないかと思います。
ひと昔前には、スゲが生育するような湿地はあちこちにあり、スゲ笠や蓑(みの)を作るための生活必需品だったようです。
しめ縄は神様に示す縄。
買うなんてせずに、みんな自作していたそう。
しかし、現在ではそのような湿地が消え、スゲがなかなか手に入らない貴重なものとなり、しめ縄などを作れる人も減ってしまっています。
ホームセンターで販売されているしめ縄を見てみてください。
ナイロンや中国産のスゲでできたものばかり…
神社に飾られているものでさえ、そのようなものが増えているのだとか。
小正月に行われるどんど焼きでは、ナイロン製のものはもちろん焼けません。
中国産のスゲも、緑色の塗料を塗られていることがあるそうで、焼くと黒い煙が出てしまうため焼かれないのだとか。
飾りも、最近はプラスチック製が多いですね。
今回の飾りは、海老以外はすべて紙製!
以前は海老の張り子を作っていた方もいらっしゃったようなのですが、需要の減少で製造をやめてしまったそうです。
最近は北海道でスゲが採れる場所も減少してしまい、今回のスゲは東北地方で採れたものだそうです。
一昨年訪問した函館市の道南四季の杜公演では、棚田の一部がスゲ田になっており、そこで育てたスゲを採取してしめ縄を作られていました。
3年前訪問した千歳市の泉郷神社に立派なしめ縄を奉納されている方々からは、カサスゲが採れた地域の湿地がなくなってしまったと伺いました。現在はこれまでに採って貯蔵しているものを使い、アンコには違う地域で採らせてもらったオオカサスゲを利用されていました。
スゲが生育する湿地を残したり、スゲを育てる場を作ったりなど、北海道産のスゲでしめ縄を作る文化を残していこうと思案中です!
今回の湿地文化体験を通して、スゲや湿地に少しでも興味を持ってくれた方がいたらとても嬉しいです。
講師の二杉さん、助手のあやさん、参加してくださった方々、ありがとうございました!
こんな立派なしめ縄を焼いてしまうのは勿体無い気もしますが、飾ったものを空にお返しするためどんど焼きに持っていきます⭐︎
3年前のしめ縄@千歳
2年前のしめ縄@函館
昨年のしめ縄@札幌